一口に「障害のある人」と言っても、その症状の種類や程度、働く上での困りごとや必要な支援、そして自分自身が「どのように働きたいか」という願いは、当然一人ひとり異なります。
一方で、「企業で働く」ということは、常に金銭的・物理的・人的制約の中で企業成長のための戦力として「自分に何ができるのか」を問われることでもあります。
障害者雇用制度や就労移行支援、テクノロジーを活用しながら、障害のある人たちの働き方をどこまで拡張できるのか。
3人の実践者と共に、具体的な方法を探ります。

多様性のためのコストを、誰がどう受け止めるのか

自分や家族、身近な人の暮らしを豊かにしていくこと、困っている人の役に立つこと、世の中に対して問いやメッセージを投げかけること。「働くこと」を通して実現したいことは、人によってさまざまです。

また、仕事を通して実現したい目標に近づくために、必要なサポートも人それぞれ異なります。知識や技能を得るためのトレーニング、困った時に相談できる上司や同僚の存在、新しい挑戦をするための資金や設備。一人では難しい困難な大きい目標に直面したときに、私たちはチームを組み、会社をつくり、組織の力で乗り越えてゆきます。

障害や疾患のある人の場合は、症状の種類や程度に応じた環境調整や、周囲の理解がより個別に必要になることもありますが、働く上で誰かのサポートを必要とすること、お互いの得意を活かしあって集団で大きな力を発揮しようとすることは、障害の有無にかかわらず共通していると言えるでしょう。

一方で、企業をはじめとする「組織で働く」ということは、常に金銭的・物理的・人的制約の中での意思決定を求められるということでもあります。障害や疾患のある人をはじめ、多様な人が安心して働いて活躍できる環境が理想だけれど、そのためのコストを誰がどのように負担するのかという問いもついて回ります。法定雇用率や特例子会社、就労移行支援といった各種制度を調整弁として活用しつつも、市場経済の中で企業はどのように多様で持続的な組織運営を実現するのでしょうか。

「自分らしさ」と市場経済のはざまで 、諦めずに現実解を増やしていく

OPEN LAB第6回の講義は、「障害者雇用の現在と未来」をテーマに、企業経営、就労支援、当事者のキャリア戦略の観点から3人のゲストのお話をお聞きします。

1人目のゲストは、グリービジネスオペレーションズ代表取締役社長の福田智史さん。グリー株式会社の特例子会社であるグリービジネスオペレーションズ株式会社は、社員の約7割が発達障害の当事者であり、個々人の特性を踏まえた職場環境づくりに力を入れながら、仕事を通じ自律的に成長し続けられる会社づくりを目指しています。

2人目のゲストは、LITALICOの昆野祐太さん。遺伝子の疾患で先天性の上肢障害を持って生まれ、幼少より保健師や作業療法士の方など福祉職に助けられた経験から、そうした支援をすべての人が当たり前に受けられない現状に課題を感じ、新卒でLITALICOに入社。就労移行支援事業所LITALICOワークスで障害のある方の就労支援に従事したのち、現在は「LITALICO仕事ナビ」営業部のマネージャーとして、全国の働くことに障害のある方と就労支援施設をつなぐ活動に従事しています。

3人目のゲストは、セールスフォース・ドットコムの松浦杢太郎さん。幼少のころより、先天性小耳症、重度のアトピー性皮膚炎、ASD/ADHDの影響から周囲と馴染めず、いじめ、不登校、うつ病を経験。23歳で企業に就職後、24歳で上司の手引きのもと、初めてADHD/ASDの診断を受けました。その後、徹底的な自己分析と専門医による投薬治療&カウンセリングを行い、企業で働き続けるための自分にあった生存戦略を模索。数回の転職と、起業/売却を経て、現在は同社で障害者採用専任のリクルーティングを担当する傍ら、GIFTED WORKSのアドバイザーも務めています。

自分の特性を理解し、必要なサポートを得ながら一人ひとりが「自分らしい働き方」を追求すること。同時に、市場経済の中で持続的に働いていくための価値を創出すること。理想と現実のはざまで、現場で粘り強い試行錯誤を続ける3人の実践者と共に、障害者雇用の未来について考えていきましょう。

福田智史

福田智史

グリービジネスオペレーションズ株式会社 代表取締役社長


1979年生まれ。ヤフー、NAVER Japan(現LINE)等を経て、2010年にグリー株式会社に入社。2013年に特例子会社であるグリービジネスオペレーションズ株式会社の代表取締役に就任。2016年度障害者雇用職場改善好事例優秀賞。グリーではファンコミュニティ・プラットフォーム「Fanbeats」の事業責任者を務めながら、特例子会社を通じた精神・発達障がい者の人材活用に力を注ぐ。

@satoshifkd twitter

グリービジネスオペレーションズ株式会社(グリー株式会社 特例子会社) facebook

グリービジネスオペレーションズ greebusinessoperations.com

昆野祐太

昆野祐太

LITALICO仕事ナビ マネージャー


1990年生まれ。遺伝子の疾患で先天性の上肢障害を持って生まれる。弟も同じ障害で、日本で2名しかいないと主治医から言われる。幼少より保健師や作業療法士の方など福祉職の方に助けていただき、社会生活ができるようになったが、成人になり、それが当たり前でなく、自分が幸運だったということに課題を感じ、新卒でLITALICOに入社。就労移行支援事業所LITALICOワークスで障害のある方の就労支援に従事。その後、センター長として事業所のマネジメント・新規事業所の開設・行政連携等の業務を実施。2017年より新規事業LITALICO仕事ナビで営業企画の立案や、インサイドセールスチームの立ち上げ、専門家や業界団体との交渉業務を担当。現在は営業部のマネージャーとして各地の営業チームを統括しながら、営業戦略の立案から推進までを担当。 発達障害や精神障害の方にも、補装具のようなものがあれば、より社会参加が進むと思い、技術を使って、当事者の方の生きづらさを解決するべく、業務に従事。

昆野 祐太 facebook

LITALICO仕事ナビ snabi.jp


松浦杢太郎

松浦杢太郎

株式会社セールスフォース・ドットコム / リクルーター

1982年生まれ。幼少のころより、先天性小耳症、重度のアトピー性皮膚炎、ADHD/ASDの影響から周囲と馴染めず、いじめ、不登校、うつ病を経験し挫折を繰り返す。 2005年(23歳)に一般採用にて企業に就職するも、仕事が続かず、2006年(24歳)に当時の上司の手引きのもと、初めてADHD/ASDの診断を受ける。 その後、徹底的な自己分析と専門医による投薬治療&カウンセリングを行い、日系企業で営業実績を挙げ、起業/売却を経て、2009年(27歳)で障害者採用にて外資系企業に転職。 レノボ・ジャパン株式会社でパートナーセールスを経て、現在は株式会社セールスフォース・ドットコムにて障害者採用専任のリクルーターとして活動中。 また、ADHD/ASDに関する知見を活かし、社会貢献事業であるGIFTED WORKSのアドバイザーも務め、当事者支援、講演活動、人材紹介事業、Webメディアの立ち上げも行う。

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4000(税込)
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講義概要

2019年12月16日(月)
19:30〜22:00 (19:00開場)

〒153-0051 東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒GTタワー16F
株式会社LITALICO本社 セミナールーム

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