今日も明日も続いていくと思っていた「日常」が、突如足元から崩れ落ちてしまうかのような事件の数々。
どうして起こったのか、誰のせいなのか。問うても答えがかえってこない。
誰もが不安の中を生きている。特効薬はないのかもしれない。
だけど、それでも。生産性と自己責任の呪いに抗い、「ここにいていい」と思える居場所をつくること。敵と味方、強者と弱者といった分断を超えて、異なる「私たち」が共に在るための地平を開くこと。
日常から、小さな希望の芽を育んでいく方法について、多様な人たちがかかわりあうコミュニティを営んできたゲストの方々と考えます。

誰もが見えない不安のなかで、現代を生きている

2016年の相模原障害者施設殺傷事件。更に今年2019年に起きた、川崎・登戸の20人殺傷事件、元農林水産省事務次官による息子殺傷事件。福祉施設から朝の通学路、そして親子が過ごす自宅の一室で。今日も明日も続いていくと思っていた「日常」が、突如足元から崩れ落ちてしまうかのような事件が起こるなか、障害のある人やそのご家族、それだけではなくこの現代を生きる人たちの多くが見えない不安にさらされて生きているように思います。

社会的弱者と言える立場の人たちを標的にする行為自体にはっきりとNOを言わねばならないと思うと同時に、加害者をしてそうした行為に至らせた、今の社会全体に染み渡る「役に立たない」ことへの恐れー生産性と自己責任の呪いにどう抗うことができるのか。難しい宿題を突きつけられたような感覚です。

特効薬はないのかもしれません。ですが、見えない不安の中で手近な「誰か」が標的にされる、そんな連鎖を防ぐためには、日本や世界の各地で、多様な人たちが共に生きる、寛容なコミュニティを網の目のように広げていくことが何よりも重要なのではないでしょうか。

日常から、小さな希望の芽を

誰もが安心して「ここにいていい」と思える居場所をつくること。敵と味方、強者と弱者といった分断を超えて、異なる「私たち」が共に在るための地平を開くこと。

OPEN LAB第7回の講義では、日常から小さな希望の芽を育んでいく方法について、多様な人たちがかかわりあうコミュニティを営んできたゲストの方々と考えます。

1人目のゲストは、PIECES代表・児童精神科医の小澤いぶきさん。子どもたちの周りに、人の想像力から生まれる優しいつながりが溢れる社会を実現したいという思いから、NPO法人PIECESを設立。孤立した子ども達と信頼関係を築いていくコミュニティユースワーカーという役割を担う人の育成や、地域の中で子どもも大人も安心して過ごせる場作りなどを行っています。

2人目のゲストは、いぶき福祉会理事の北川雄史さん。生活介護や放課後等デイサービス、就労継続支援といった福祉サービスを通して重度の障害のある人たちの暮らしを支えながら、モノづくりやブランド開発を通して、多様な人たちが交わり合う地域コミュニティを育んでいます。

3人目のゲストは、精神科医の森川すいめいさん。板橋区みどりの杜クリニック院長として精神障害のある方々の対話と治療を続けるほか、ホームレス状態の人々を支援するNPO法人TENOHASHI理事として東京都・池袋で炊き出しや医療相談などに携わっています。また、自殺希少地域でのフィールドワークを通して、多様な人が多様なまま共存するコミュニティのあり方についての研究や情報発信も行われています。

同じだけれどちがう、ちがうけれど同じ。人と人との「間」に多様で豊かな関係性を育んでいくことが、私たちの想像力を広げ、共に生きるための知恵をもたらしてくれる。そんな願いと希望を抱きながら、対話の場を開きたいと思います。

小澤いぶき

小澤いぶき

認定NPO法人PIECES代表


理事児童精神科医/東京大学医学系研究科客員研究員。精神科医を経て、児童精神科医として複数の病院で勤務。虐待臨床、発達障害臨床を専門として臨床に従事し、さいたま市の「子育てインクルーシブモデル」立ち上げにも携わる。 医療職として従事する傍ら、2013年頃から地域活動を始め、2016年6月にNPO法人PIECESを設立。2017年には、世界各国のリーダーが集まるザルツブルグカンファレンスに招待を受け、子どものウェルビーイング達成に向けたザルツブルグステイトメント作成に参画。Japan women ‘s leadership initiative 10期フェロー。

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北川雄史 title=

北川雄史

社会福祉法人いぶき福祉会専務理事

1969年京都市生まれ、神戸育ち。筑波大学第二学群人間学類卒。大日本印刷株式会社から、社会福祉士取得後、1997年に社会福祉法人いぶき福祉会に入職。障害福祉に携わるようになる。従来の福祉の枠にとどまらず、福祉のつよみをいかしたブランド開発により、モノやコンテクストを創りだしている。地域でモノづくりを担う方々とのネットワーク活動などにも積極的に取り組む一方、最重度の障害のある人の社会参加、いのちの問題などを医療・教育と連携しながら向き合いつづけている。著書に『ねことmaruとコトコト~障害のある人の「働く」をつくる』きょうされんKSブックレット(共著)。

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ねことmaruとコトコト tomoichiba.jp

kitagawayuji.com kitagawa.ibukistyle.com

いぶきの小窓 ibuki-komado.com

ねこの約束 nekonoyakusoku.jp

百々染 momozome.jp


森川すいめい

森川すいめい

精神科医

1973年、東京要町生まれ。精神科医。鍼灸師。2つのクリニックにて往診や外来診療を行う。2003年にホームレス状態にあるひとを支援する団体「TENOHASI(てのはし)を立ち上げ、現在は理事として東京・池袋で炊出しや医療相談なども行っている。09年、認定NPO法人「世界の医療団」ハウジングファースト東京プロジェクト代表医師、13年同法人理事に就任。一般社団つくろい東京ファンド理事。NPO法人認知症サポートセンター・ねりま副理事。オープンダイアローグ(OD)国際トレーナ養成コース2期生。ODNJP運営委員。著書に、障がいをもつホームレス者の現実について書いた『漂流老人ホームレス社会』(朝日文庫、2015)、自殺希少地域での旅のできごとを記録した『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』(青土社、2016)等がある。

翠会ヘルスケアグループ midorinomori-midorikai.jp

@suimebukuro twitter

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講義概要

2020年1月28日(火)
19:30〜22:00 (19:00開場)

〒153-0051 東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒GTタワー16F
株式会社LITALICO本社 セミナールーム

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